東大狂言研 徒然仏師

一期は夢よ、ただ狂え。

【告知】駒場祭と、蟬の会と間狂言と(延期後開催決定)

こんにちは。ナイルです。

4月に勢いこんでブログを新設したはいいものの、完全に個人的な就活と卒論で手が回らなくなってしまっていました(言い訳)。

 

秋冷の候、新型コロナウイルスの云々はまた雲行きが怪しくなって参りましたね。

前回のブログ当時、私は実家に避難していたのですが、6月に就活のため東京に舞い戻り、第二波の真っ只中は結局東京で耐えてました。ちなみにこれを読んでる皆さん厚労省COCOAインストールしてますか?私、9月にあれで見事に接触通知をいただいてしまいまして、検査は陰性でしたが2週間完全外出自粛などというイベントもありました。接触の心当たりも、その後の経過も特に何事もなかったのでよかったですがさすがに通知がきた瞬間はドキッとしてとっさに飴舐めましたよね(味覚ありました)。引き続き気をつけましょう。

 

気をつけましょうと言いつつ、(もちろん感染症対策体制のもとで)対面でのお稽古が再開できたことは本当に良かった......。オンライン稽古の現実的な限界はやっぱりあって、一時的なその場凌ぎ。でも、なんにもやらないよりは確かに良かったのではないかと思います。

大学の課外活動施設が8月から使えるようになり、対面での師範稽古もその頃から再開しました。そしてようやくなんとか、なんとか今年も公演の告知ができることになりました。

どの公演もできる限りの感染症対策を施した上で行いますので、どうぞ安心してご来場いただければと思います(ご来場に際して不安なことなどがありましたらお気軽にお問い合わせください)。

 

オンライン開催とはなりましたが、なんとか今年もやってきました東京大学駒場祭

6月から開催が延期となっていました蟬の会☆

これまた6月から延期となっていました東京大学宝生会学生能〈加茂〉☆

 

三本立てです。間に挟まってる個人的な所感というか呟きというかそのへんはまあ適当にすっ飛ばしていただきまして、とにかく公演情報です。

 

 

 

☆第71回東京大学駒場祭

日時:2020年11月21日(土)〜23日(月)11時〜18時
会場:Youtubeにて公開!会期中お好きなタイミングにご覧ください。
演目:観世会 仕舞〈蝉丸〉
   宝生会 舞囃子〈加茂〉〈梅枝〉
   狂言研 袴狂言〈清水〉〈茶壺〉

www.komabasai.net


会期中、上のイベントページ内にYoutubeリンクボタンが出現するはずなのでそちらからどうぞ!

 

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撮影......頑張りましたよ......(主に2年生が)。

 

2年生のきよすけと赤島津コンビによる〈清水〉は、文京区のかるた会館和室をお借りして撮影しました。

施設の時間制限も紋付袴の着付けもあるので、撮影だからといってのんびり何回もやってるわけにもいきませんし、外の音もわりと入るのでカメラ回してる最中に爆音バイクとか消防車とかお願いだから来ないで〜(祈るしか術がない)とか、あとカメラのそばについてる私が、二人の演技がいくら面白くても絶対に笑ってはいけない状況(面白いですと言っていく)。

演者の二人も「ミスったら撮り直せてしまう……もう一回やることになる……」ということで逆に集中が高まっていたような感じ。

客席の視線はないけれどやっぱり本番、緊張感MAXの中で演じられた〈清水〉、私も公開されたものを観るのを楽しみにしています。

撮影が終わった瞬間、緊張が解けた二人の汗だくでやり切った表情もすがすがしかった。青春じゃん。

 

お茶大2年生の若丸ちゃんがシテすっぱ(悪い方)を演じる〈茶壺〉。

東大からは2年生のキトリがアド中国の者(正直な方)、私は目代(もっと悪い方)をつとめさせていただいています。

こちらは諸事情とご縁とあって神奈川県の茅ヶ崎にあるうみかぜテラスという施設で撮影させていただきました。茅ヶ崎のある広い公園にちょっとした舞台があって、そこで3人でおもむろに扇広げて稽古させていただいていたりもしました。あれは気持ちよかった。

やはり撮影だからといって特別時間的に余裕があるわけでもなく、稽古も回数を重ねることが難しい状況ではありましたが、なんとか漕ぎ着けることができて良かったです。

 

 

☆第16回蟬の会(六大学狂言研究会合同自演会)

日時:2020年12月6日(日)14時始曲 16時半終演見込み
会場:銕仙会能楽研修所(東京メトロ表参道駅A4出口から徒歩3分)
演目:狂言〈清水*〉〈茶壺*〉〈因幡堂〉〈魚説法〉
   小舞〈海道下り*〉
   (*印…東大から出演)
備考:入場無料、入退場自由、要予約→早稲田大学 狂言研究会 - 「蟬の会」申し込みフォーム
 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、六狂連OBOG・出演者の関係者に限って入場を可能とさせていただいております。楽しみにされていた皆さまには申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいませ。

 
 
駒場祭でも配信する〈清水〉と〈茶壺〉を、紋付袴ではなく装束をつけて上演します。2年生ロコの初舞台、小舞〈海道下り〉も加わります。
 
6月に予定されていたのがまあ延期という話になり、開催すら危ぶまれたこともなくはなかったですが、無事に(無事ではない)今年中に開催が決定しました。どんな状況でもいいからとにかく続けるということが大事なこともあるでしょうし、それでも狂言をやりたい仲間が集まっているというのはとても幸せなことだと思います。
近年の人数不足もあいまって例年に比べたらコンパクトな会にはなりますが、ご来場可能な方は是非。
 
 
 
【賛助出演】

東京大学宝生会 学生能〈加茂〉

日時 2020年12月12日(土)18時始曲 19時半頃終演見込み
会場 宝生能楽堂(JR水道橋駅東口から徒歩3分)
演目 宝生流 能〈加茂〉
備考 入場無料、入退場自由、予約不要
 第135回関東宝生流学生能楽連盟自演会(関宝連)の一番組としての上演です。当日は18時よりも前から仕舞・舞囃子が多数出ていますので、よろしければそちらもお楽しみください。

 

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学生で間狂言をやらせていただく機会というのはあまり多くはないのですが(そもそも学生能が出ないと最初から機会はないし、間狂言を必要としない能も多い)、

大変有難いことに私はご縁あって2年生から毎年何かと機会をいただき、今回が3回目です(狂言研の人数不足もあいまって云々)。

 

〈加茂〉は、京都の上賀茂神社下鴨神社播磨国(兵庫)の室明神の神職が参詣するところから始まって、神々によって神々の神話が語られていく能であり、

能・演目事典:加茂/賀茂:あらすじ・みどころ

狂言方が間狂言としてつとめる加茂末社の神は、前半と後半のつなぎ役として登場して、前半で厳かに謡われた加茂明神の由緒を振り返って語り、お囃子に合わせて〈三段ノ舞〉という軽やかな舞を舞い、室明神の神職のご参詣を賜った、めでたいこの日をことほぎます。

学生で3回目の間狂言といっても、〈田村〉〈吉野天人〉に〈加茂〉と毎回雰囲気の違うお能なこともあり、前回かろうじて身に付けたような間狂言特有の語り方が次にそのまま使えません。それでも前回前々回は直面の人間役だし語りだけでしたが、今回は相対的にランクは低かろうが神様役、髭の生えた面(「登髭」で検索)もつけるし、面つけたまま謡も謡うし舞も舞います。

難しいことも多いですが、何より、8年越しの学生能を実現する実力派精鋭の東大宝生会の皆さんに恥ずかしくないよう、私も短い4年間のお稽古の集大成として、そして一生に一度の機会として、最高にめでたく舞い納める所存です。よろしくお願いします。

 

 

こんな感じでこんな状況ですが思ってたより元気に活動しています。

今年も残りわずかですが、ご縁がありましたら舞台でお会いしましょう!

 

 

(ナイル・東大4年)